2016年12月21日水曜日

[食品人文学]キムパブ、キムサムそしてカリフォルニアロール

2014/04/04

今日キムパブに抜けてはいけない材料は‘黄大根’あるいは‘たくあん’で知らされた日本のつけもの(漬物)たくあんづけ(沢庵漬け)だ。キムパプを巻く時これを長く切って一緒に入れてこそ真のキムパプになる。ところでこのキムパプは日本料理であるのり巻き寿司(海苔巻寿司)と縁が深い。 のり巻き寿司の調理法が韓半島に知らされた時はおそらく19世紀末の後日本人がソウルに大挙居住し始めてからだ。
 
その調理法は京城女師範学校の家事研究会が出した《割烹研究》(1937)という本で初めて紹介される。この本の20~21ページにはちらしずし(散らし寿司)とともにのり巻き寿司調理法が載っている。それからページには図で6段階にわたるのり巻き寿司しまう方法を描いておいた。

海苔、紙切れのように作った海衣

朝鮮時代文献では海苔を海衣あるいは海苔だと書いた。丁若鏞(丁若鏞、1762~1836)は《経世遺表》 14冊で“通称(俗名)はヘテ(海衣)と呼んで方言は진(眹)だと呼ぶ。青苔もあるがたいてい類似したもので5~6種もある”とした。事実ここで‘진’は‘짐(朕)’の仮借字だ。 本来人々は‘짐’と呼んだが王が自らを呼ぶ言葉である‘짐’を漢字で書くのにふさわしくなくて丁若鏞が‘眹(진)’と書いた。この‘짐’が以後‘김(キム)’という発音に変わって今日に至ったのだ。
 
キム(海苔)がどのようにできたかに対しては李瀷(李瀷、1681~1763)が《星湖僿說》で明らかにした。 ヘテを取って紙のように作品を作ったものといった。 この紙切れのようなキムを朝鮮時代の人々がどのように食べたのかは知る術がない。 おそらく海苔にゴマ油を塗って塩を振りかけて焼いた海苔をご飯に安くて食べる‘キムサム’形態だったものと推定される。 日本で料理学を習った方信栄(方信栄、1890~1977)が使った1934年版《日日活用朝鮮料理製法》にサムの一種類でキムサムが一番最初に出てくるためだ。
   
だが、キムの大衆的な消費は日帝強制占領期間に入ってきて可能だった。 広島県の海苔業者が韓半島にきて南西海岸が海苔養殖の適地だと判断して海苔養殖と製造方法を改良したところで近代的海苔生産が始まった。 1922年全南唐津で海苔の試験養殖が成り立ったし、1925年西南海沿岸の書籍で海苔養殖が席を占めた。 それだけ海苔を購入することがそれ以前よりたやすくなって1930年代京城女師範学校の‘のり巻き寿司’や方信栄の‘キムサム’が調理法で登場することができたのだ。

遠足の楽しみはやはり‘キムパプ食べる’楽しみ

たとえ解放以後にも日本と再び正式修交を締結しなかったけれど日帝強制占領期間と同じように韓国海苔は日本に輸出される主な商品だった。 日本政府は自国の海苔産業を保護するためにいつも韓国海苔輸入を制限した。 だが、1964年6月日本との正式修交を準備する過程で日本政府は海苔をはじめとするいくつかの水産物に対する輸入制限措置を解くという贔屓を見せた。

以後国内で生産されたキムはほとんどの日本に輸出されたので韓国では遠足の時のりまきを作る家が多くなかった。それで遠足日に“うちの母さんはのりまきを作ってサイダーとおいしい菓子たくさん買うといった”(1968年4月8日付<京郷新聞>)という言葉が子供たちの間で自慢の種に通じた。
 
1970年代に入り込んでキムパプはキムの生産量増加とともに国内消費も促進した。子供たち遠足はもちろんで外出の時必ず備えなければならない料理で理解された。 いつのまにかキムパプはトースト、卵焼き、牛乳、かまぼこと共に代表‘簡易食品’で分類される。 このような簡易食品は手押し車に包装をまいた‘移動レストラン’で売れた。 移動レストランは主に市内中心街や歓楽街周辺で営業をしたが、移動レストランではキムパプの他にホヤなどと酒のつまみを販売して社会的問題になることもした。

キムパプの日本食卓占領期

キム生産が増加した1970年代には今日の‘忠武のり巻き’登場した。 88ソウルオリンピック以後キムチが日本に輸出されて韓国人のキムチに対する自負心が高まってこれを契機にキムチ入りキンパプが開発された。

1990年代中盤になってキムパプ専門店が都心でドアを開け始めて既存キムパプと違いチーズキンパプ、ヌードキムパプ、セロリキムパプなどがキムパプ専門店で販売された。 特に1990年代中盤以後ソウルをはじめとする大都市で流行した日本料理店はキムパプの風変わりな変身に大きく貢献したし、カリフォルニアロールの流行は多様なキムパプが開発される契機になった。 もう在来式味付け海苔と共に‘キムパプ’という韓国語で日本でも大人気を享受しているので今後続くキムパプの軌跡が期待される。

http://mediask.co.kr/1597

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