2016年12月22日木曜日

[食品人文学]唐麵雜菜が韓国料理市民権を得るまで

2015/02/04

“モヤシを去頭截尾してセリを宿主の長さぐらい切ってソニャソン(牛大腸の骨盤中にある腸の終わりの部分)とヤン(牛胃)をゆでて鞭打つ。ネギを湯がいて鞭打って色々な高名でユッケ千切って炒めて全部一ケ所混ぜて和える。卵焼いて細く鞭打って上にばら撒いて松の実の粉ばら撒いてカラシに無恥増えるのだ。”

1800年代中葉に書かれたと思われるハングル筆写本料理で閨壼要覧・食品録という本では漢字で‘雑采法’と書いてその調理法を上のように書いた。


雑菜と書かなければならない漢字を誤って書いたがこの頃雑菜とは明確に異なります。この後梨花女専家政科教授を務めた方信栄(方信栄、1890~1977)が出した1921年版<朝鮮料理製法>でも雑菜調理法を書き留めました。

“桔梗、セリ、黃花菜、ジョユク、椎茸を鞭打って入れてネギを入れた後醤油と油、ゴマ塩胡椒を打ってしばらく立っておいて油に炒める。 火に呼ばれてゆでて切った唐麺と皆一緒に入れてよく混ぜて皿にうずたかく入れる。 錦糸卵鞭打って椎茸、イワタケを刺さ糸のように細かく鞭打って油に炒めておいて一番上にばら撒く。 また、松の実の粉をその上に根元遅く。” 
 
唐麺ない雑菜もあったか? 
 
はじめて今日の雑菜のように唐麺が入りました。 事実唐麺は名前だけ見ても中国が原産地であることを知ることが出来る食品です。‘唐’麺だとして唐代の食品ではありません。満洲族でない漢族の食品という意味で‘胡’でなく‘唐’とついたのです。

だから韓国人位相から唐麺と呼ぶことが当然だが中国人の立場では決して唐麺ではありません。中国では昔も今も唐麺を‘粉条’あるいは‘粉丝’と呼びます。さつまいもやジャガイモでん粉、すなわち澱粉の一部にお湯を注いでこねて草のように作ります。ここに再び残りの澱粉を注いで振って40℃程度のお湯をさらに注いでねります。 この練り粉を製麺機(ククストゥル)に押してお湯が入れられたカマに抜き出した後冷まして天日で干せばピョンテャオ、すなわち唐麺になります。 朝鮮に本格的に紹介されたのは1882年夏壬午軍乱以後仁川とソウルに大挙移住した中国人によってでありました。
 
1909年ソウル水標橋と南大門近所ではその名前もきらびやかな雅叙園、金谷園、大観園、四海楼のような看板を掲げた大規模中国料理屋が盛業をしました。こちらを探す朝鮮人お客さんが好んで食べたメニューには酢豚、ヤンジャンピ(中華冷菜)、高粱酒と共に雑菜も含まれます。
 
1920年代になるとすぐに中国から唐麺を輸入することより国内で直接生産してこそ利益が残るという事実を知った人々ができました。
 
その中ひとりが黄海道の鉄道要衝沙里院で唐麺工場である廣興工廠を運営した楊在河です。 1920年代後半から唐麺が入った雑菜が朝鮮末期唐麺がなかった雑菜に代わり始めた。このような事情を勘案するならば雑菜と唐麺雑菜を別に区分しなければならないが実際にはそうではありませんでした。
  
韓国名節上に上がった三国の合同作品
 
1930年3月6日付<東亜日報>では同徳女子高の家政科教師である宋今璇が別の雑菜調理法を紹介しました。特に宋今璇は雑菜の味付けをする部分で日本醤を使うと書きました。
 
すなわち、醸造醤油を指します。1937年7月7日に中日戦争が勃発して唐麺雑菜は家庭で作らなければならない料理と認識され始めました。当時だけでも唐麺雑菜を家で作るのは非常に面倒なことでした。 ところで戦争が勃発するとすぐに多くの中国人が帰国してしまったし、家で宋今璇方式の唐麺雑菜を作る人々が増えました。
 
解放以後唐麺雑菜は韓定食を販売するレストランはもちろんでさらに粉食店でも重要メニューになりました。1976年に出版された黄慧性の《韓国料理百科事典》では雑菜を宮中料理のうちで煮て作る野菜•ナムル料理の熟菜で扱いました。当然唐麺が入った雑菜でした。
 
牛肉、タマネギ、ニンジン、キュウリ、桔梗、宿主、松茸、唐麺などの材料が入って、ここに醸造醤油、砂糖、ゴマ塩、ゴマ油などで味付けしてあえる方式でした。 結局中国式炒める雑菜とは違いあえる方式の唐麺雑菜が1970年代韓国料理市民権を得ることになりました。 今になって唐麺雑菜に朝鮮醤油を入れてあえれば決してなじまないでしょう。さらに前でも見たように1880年代文献に出てくる調理法で雑菜を作れば今の人々は中国料理の一つである‘ギョジャチェ’というかも知れません。しかしこれがすぐに朝鮮末期の雑菜であり、今日韓国人が好んで食べる雑菜は唐麺雑菜であり醸造醤油雑菜です。20世紀前半帝国日本に編入された朝鮮人•中国人•日本人の合同作品。歴史のアイロニーが雑菜に含まれています。

http://mediask.co.kr/1969

0 件のコメント:

コメントを投稿